「伊勢は津でもつ、津は伊勢でもつ、尾張名古屋は城でもつ」と伊勢音頭にうたわれた三重県津市。大正12年創業、津市で初の洋菓子店である三華堂(サンカドー)の人気商品「江戸時代のカステヒラ」は、江戸時代のレシピで焼き上げたカステラ。お口に入れると素朴な風味と自然の甘味が広がり、独特の食感がどこか懐かしさを感じさせます。現代のカステラとセットになっているので、食べ比べの楽しみも。タイムスリップした気分で、お茶うけに、お土産に、江戸の味を味わってみませんか。
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殿様も驚いた!?江戸のカステラとは
「江戸のカステヒラ」はその名の通り、江戸時代のカステラ製造法を再現して作ったもの。江戸末期、伊勢の国、藤堂藩家老の中川蔵人が天保4(1833)年から書き記していた日記に「カステヒラ法」として書かれていた配合表を参考に、三華堂店主の阿部真三さんが現代によみがえらせました。
「歴史の勉強会で教えてもらっていた先生から、家老が書いた在府日記に、江戸で評判になっているカステヒラの配合表が載っているって聞いたんです」とレシピとの出合いを語る阿部さん。さっそく再現してみることにしたといいます。しかしすんなり「江戸時代のカステヒラ」が出来上がったわけではありませんでした。
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生地の茶色は精製しない砂糖の色
配合表に書かれてあった材料は「砂糖、小麦粉、鶏卵」のみ。どんな砂糖なのか?まずは材料探しからカステヒラ作りは始まりました。
「たとえ家老の家でも白い砂糖はなかったんやないかな、と原糖に近い砂糖を探して、これだ!というのを見つけました。サトウキビを絞って煮詰めただけのもの。これなら当時でも手に入っただろうと。ただ、今のカステラみたいな黄色が出ず、茶色になってしまうんです。でも味は風味があって素朴な感じに仕上がりました。卵には僕なりの工夫が加えてあるんですけどね、それは秘密です」
工夫と苦労を重ね、試作品を何度も勉強会の先生や仲間に食べてもらいました。今のカステラはもっとしっとりしていますが、試食した仲間たちが、これはこれでいいんじゃないかと言ってくれたことが阿部さんの自信になりました。原糖が精製した白砂糖にはないコクを出し、2007年5月にウドちゃんが店に立ち寄って江戸のカステヒラを食べたときも「素朴な感じでおいしい!」と大絶賛。
嘉永6(1853)年の日記には、中川蔵人が息子の登にカステヒラを作らせて殿様に差し上げ、殿様がたいそう喜んだという記述もあるといいます。
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今も店を見守るアメリカ製のレジスター
当時家1軒が買えるほどの値段で米国製レジスターを導入して津で初の洋菓子店をオープンした進取の気性に富む先代。その血を受け継いだ阿部さんがよみがえらせた江戸時代の味「江戸のカステヒラ」。そこには懐かしさと新しさを併せもつ、津の歴史と文化が詰まっています。
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津ならではのセット商品
三華堂の商品には、江戸のカステヒラ2個、現代のカステラ1個のセットと、江戸時代のカステヒラ1個、現代のカステラ1個、クッキー唐人さん2箱、五重の塔7個のセットの2種類があります。
クッキー唐人さんは、毎年10月に開催される「津まつり」の唐人踊りの愉快な面の歯をかたどったクッキー。「唐人踊り」にちなみ、唐辛子(唐)とニンジン(人)が入っています。おつまみにもぴったりの、やめられなくなる味です。
「五重の塔」は、津観音寺の五重塔建立(2001年)を記念して作られたお菓子。材料はアーモンド粉と卵と砂糖。観音さまにある撫石(なでいし)の形を模しています。撫石とは、津観音寺本堂内にある、ありがたーい石。この石を撫でた手で体の悪いところをさすると悪いところが良くなると言い伝えられています。
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